SocionextがRTLレベルでカスタマイズ可能なチップレット・ソリューション「Flexlets」を発表

2025年10月28日、Socionextは先端SoC開発向けの新ソリューションとして、チップレット設計エコシステム「Flexlets」を発表した。

プレスリリース

Flexletsのロゴ SocionextのWebページより引用

「Flexlets」は、高性能コンピューティング、ネットワーキング、次世代車載システムなど先進アプリケーション向けのSoC開発をターゲットとするソリューションで、SoCを構成する主要な機能をチップレットとして提供するもの。

「Flexlets」製品の第一弾として用意されるのは下記4種のチップレット製品で、個別のアプリケーション要件に応じてRTLレベルでチップレットをカスタマイズできるのが最大の特徴。チップレット設計の構想・構成・検証用に、IPライブラリを備えたWebベースのドラッグ&ドロップ型コンフィギュレーターが用意される。

Flexlets製品 SocionextのWebページより引用

「Flexlets」は、Socionextとの共同開発を前提としたチップレット・ソリューションとなるが、SoC開発にあらゆるベンダーのIPを活用・統合することが可能。すべての「Flexlets」は、CoWoS、SoW-X、EMIB、3Dスタッキングを含む2.5D/3Dの先進パッケージ技術、最先端のプロセスノード(5nm、3nm、2nm)、およびUCIe、UALink、PCIe Gen7、Ultra Ethernetといった業界規格に対応しており、SoCのパッケージングはすでに2nmプロセスや3DICで実績のあるSocionextにお任せできる。

Socionextは、セキュリティ機能、デバッグ機能、最適化されたインターフェースを実装したFlexletsのラインアップを順次展開する予定。現在、「Flexlets」ベース設計による最初のエンジニアリング・サンプルを開発中で、2025年中に最初の顧客向け製品の設計を開始、2026年第2四半期(4月~6月)からさらに案件の拡大を予定しているという。

チップレット・ベースの設計はその有用性が叫ばれる一方で、標準ルールやサプライチェーンなどインフラ整備が追いついていないのが現状。この過渡期と言える状況の中で顧客に寄り添う形のコンフィギュラブルなソリューションは、Socionextの顧客にとって現実的な最適解となるだろう。

株式会社ソシオネクスト

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2025.10.29 NEW