S2CとSIAMOがセキュリティを含めたシステム検証を可能とするソリューションを発表
2025年5月22日、FPGAベースのプロトタイピング・システムを手掛けるS2Cとシステム向けサイバー セキュリティソフトを手掛けるSIAMOは、両社製品のコラボレーションについて発表した。
SIAMO社は旧Mentor Graphicsのメンバーが立ち上げたイスラエルのスタートアップ企業で、自動車およびIoT向けのサイバーセキュリティ・ソフトウェアを開発/販売している。SIAMO社のホームページ上の情報によると、Mentor Graphicsの米国本社社長を約20年間務めたGreg Hinckley氏が同社の取締役会長に就任しており、EDA業界をバックグラウンドとしたメンバーがマネジメントを行っているようだ。
そんなSIAMO社の背景が生み出したと想定されるが、今回S2CとSIAMOは両社の製品を組み合わせたソリューションを実現。具体的には「SIAMO-Intrusion Detector」というセキュリティ・ソフトをS2CのFPGAプロトタイピング・システム「S8-100Logic System」に実装することで、「S8-100Logic System」上でセキュリティまで含めたシステム検証が可能に。FPGAプロトタイプを利用する段階でセキュリティに関する検証も同時に行えるため、TAT短縮に大きなアドバンテージをもたらすという。
「SIAMO-Intrusion Detector」は、AIを利用した不正侵入検知ソフトウェアの自動生成キットで、ウィルスを学習するのではなく、ユーザの正常時のアプリケーションソフトの振舞いを学習し、アプリケーションの異常動作(ウィルス、故障等)を検知するユーザー・アプリケーション独自のAIモデルを自動生成するというのが大きな特徴。これにより、全く未知のウィルスや突然の故障も検知することができる。
従来はHW完成後にアプリケーション・ソフトの動作を学習していたが、今回「S8-100LogicSystem」をサポートしたことにより、HWの完成を待たずにAIモデルの作成が可能になる。 「SIAMO-Intrusion Detector」は、システム検証による成果物として学習用データの抽出プログラム、学習プログラム、AIモデル自動生成プログラムをユーザーに提供してくれる。また、各種パラメータの設定により、オーバヘッドの調整等カスタマイズも可能で、「S8-100Logic System」と同シリーズの廉価版「S8-40LogicSystem」でも運用可能だという。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2025.05.28
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