SiemensがAltair Engineeringを100億ドルで買収
2024年10月30日、独Siemensは、米Altair Engineeringの買収を発表した。
発表によるとSiemensによるAltairの買収額は約100億ドルで、2025年後半に買収が完了する予定。100億ドルという買収額は、2024年10月21日のAltairの株価終値に対して19%のプレミアムとなるという。
米Altair Engineering(日本法人:アルテアエンジニアリング株式会社)は、ミシガン州に本社を置くソフトウェア・ベンダーで、データ分析とAI、CAE、HPCの各分野にソリューションを提供している。エンジニアリング・サービスから発展した同社は製品開発向けのCAEソフトを軸に成長を遂げ、2017年にNASDAQ上場。現在はワールドワイドに3,500人のエンジニアを抱えグローバルなテクノロジー企業として1万社を超える顧客企業の製品開発やサービスを支えている。
半導体業界においては、半導体設計ワークロードの最適化やEDAツールの効率的な運用を実現するソリューションを大手半導体ベンダ各社に提供しており、近年はEDAベンダの買収も積極的に進めている。
AltairがEDA分野に参入した一つのきっかけは、EDAライセンスの利用最適化をうたうRuntime Design Automationの買収で、その後老舗のEDAベンダ独Concept Engineeringを2022年に買収。今年7月にはクラウドベースの論理シミュレーション・サービスを展開する話題の新興EDAベンダMetrics Design Automationを買収していた。
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AltairのEDAソリューション:https://www.altairjp.co.jp/eda-applications/
SiemensとAltairは半導体産業よりも、それ以外の製造業向けソリューションで様々な相乗効果を見込み今回の買収に至ったと考えられるが、Altairのソリューションが加わることでSiemensのEDA事業にも面白い変化が生まれそうだ。特にMetrics Design Automationの論理シミュレーション・ソリューションとSiemensの既存の検証ソリューションがどう融合していくか注目していきたい。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2024.11.08
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