ルネサスが買収した組み込みAI導入ツール「Reality AI Tools」の無償評価版をリリース

2024年7月16日、ルネサス エレクトロニクスは、エッジAI/TinyMLの導入ツール「Reality AI Tools」の無償評価版「Reality AI Explorer Tier」の提供開始を発表した。

プレスリリース

「Reality AI Tools」は、2022年にルネサスが買収した米Reality AIが開発したエッジAIアプリケーションの開発環境で、非画像領域のセンシングAIをターゲットにデータ収集、AIモデルの学習、チップ実装をトータル的にカバーする。 具体的には、生産設備の監視や異常検知・トラブル予測、道路状況やタイヤ摩耗、接近物の検知(クルマなど)、メンテナンスの自己診断など、信号処理、機械学習、異常検知を組み合わせたエッジAIアプリケーションを開発し、ルネサス製のMCU/MPUコアに実装することができる。

今回無償評価版として提供される「Reality AI Explorer Tier」は、自動AIモデル構築、検証、実装ツールを含む「Reality AI Tools」の全機能を1ヶ月間利用可能。評価版利用者は、チュートリアル、応用例、FAQなどのライブラリやコミュニティ・フォーラムへのアクセスが可能。Eメールによるサポートも受けられる。

「Reality AI Explorer Tier」は、ルネサスの提供するRAファミリ32ビットMCU搭載ボード(4万円程度)をベースとした「AI開発キット」と組み合わせて利用することも可能。 同キットには、加速度/振動分析、音声分類、モータ制御などの幅広いユースケースにまたがるサンプルデータセットが備えられている。

なお、エッジAI/TinyML向けのAIアプリケーションの開発環境としては、米QuickLogic社の子会社SensiMLがオープンソースのAutoMLツールとして提供する「Analytics Studio」という製品もある。こちらの製品はGitHub リポジトリにて公開されている。

ルネサス エレクトロニクス株式会社 
SensiML

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2024.07.25 )