「DSim」を手掛けるMetrics Design Automationをクラウド・ソリューションのAltairが買収
2024年7月1日、AI、データ分析、シミュレーション、HPCなど、多分野・他業種に横断的なソリューションを提供するTech企業米Altair Engineeringは、論理シミュレータ「DSim」を手掛けるカナダの新興EDAベンダMetrics Design Automationの買収を発表した。
Metrics Design Automationは元CadenceのCEO Joe Costello氏が率いるEDAベンダで、従量課金制でクラウド利用可能な論理シミュレータ「DSim」を提供している。
※「Dsim」に関しては下記の記事を参照
デスクトップ利用は無料、大手製品に匹敵する論理シミュレータDSimを手掛けるMetrixのビジネスとは?
Altairは様々な業界にソリューションを提供しているが、半導体業界も同社のターゲットの一つで、半導体設計ワークロードの管理ツールやチップ設計向けの各種デバッグツールなどを提供している。
Altairは今回のMetrix買収について「EDA業界での足場を拡大するもの」としており、「DSim」を用いたEDAビジネスの強化を狙っているようだ。元々Altairはクラウド・ソリューションに強い会社で、Metrixの展開していたクラウドベースのシミュレーション・ビジネスとの親和性が高く、自社製品のRTLデバッガ「RTLvision® PRO」は「DSim」と組み合わせて利用することができそうだ。
Altairは他にも「StarVision PRO」、「SpiceVision PRO」、「GateVision PRO」といったハードウェア設計向けのデバッグ・ツールを持っているが、同社のビジネスは道具としてのツール販売というよりも、業務最適化/コスト削減のためのソリューション提供という面が色濃く、EDAのライセンス数を最適化する既存のソリューションと合わせて、設計コスト削減のためのソリューションとして「DSim」を提供していくものと思われる。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2024.07.02
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