Ansysの解析ツールでNVIDIA Omniverseを利用した3D可視化が可能に〜3D-IC設計に効果的

2024年6月19日、Ansysは同社の解析ツールが「NVIDIA Omniverse」を通じて利用可能となったことを発表した。

プレスリリース

発表によるとAnsysの電磁界解析ツール「Ansys HFSS™」、熱解析ツール「Ansys Icepak™」、パワー解析ツール「Ansys RedHawk-SC™」などのツールが仮想開発プラットフォーム「NVIDIA Omniverse」のAPIをサポート。ツールによる解析結果を「NVIDIA Omniverse」の中の3Dモデルで立体的にリアルタイムで確認できるようになった。Ansysは同機能のデモをサンフランシスコで開催中のDAC(Design Automation Conference)で初披露した。

※画像は「Ansys Icepak™」の解析結果を「NVIDIA Omniverse」で視覚化している様子。Ansysの発表資料添付のデータ

今回の取り組みは3D-IC設計の効率化を狙うもので、設計者は「NVIDIA Omniverse」上の3Dモデルを操作して電磁場や温度変化などの重要な現象を評価できるようになる。当然ながらAnsysの各ツールは解析結果を視覚化することができるが、「NVIDIA Omniverse」という高度な仮想アプリケーションを用いた視覚化により、3D-ICコンポーネント間の相互作用を理解するということに大きな意味がある。

また「NVIDIA Omniverse」の利用と合わせて、パワー解析ツール「RedHawk-SC」 が「NVIDIA Grace CPU」 によって高速化されたとのこと。

EDAツールを「NVIDIA Omniverse」に対応させたり、NVIDIAのチップでランタイムを高速化する取り組みは業界に先んじてSynopsysが積極的に進めている。今回同様の発表を行ったAnsysは、来年Synopsysによる買収が完了しソリューションが統合される予定。

Ansys

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2024.06.27 )