AIが半導体への投資を促し、世界における半導体製造キャパシティは右肩上がりで増加する
2024年6月18日、半導体の業界団体SEMIは、四半期ワールド・ファブ予測レポートを発表した。
発表によると半導体製造業界の世界の生産能力は、2024年に6%、2025年には7%増加する見通し。これは世界における旺盛な半導体需要にチップメーカーが対応するためで、特にAI向けにニーズの高い5nm以下の最先端プロセスの製造キャパシティは、2024年に13%、2025年には17%と大きく成長する見込み。2025年にはIntel、Samsung、TSMCなどのファウンドリが2nm GAA(Gate-All-Around)プロセス・ノードでチップの生産を開始する予定となっている。
※画像はSEMIのWebページ上のデータ
地域別では中国の半導体メーカーによる製造キャパシティの増加が力強く、2024年に15%、2025年には14%増と生産能力を増やしていく予定。中国の半導体メーカーによる製造キャパシティは、業界全体のほぼ3分の1を占める。中国企業は、輸出規制の影響を緩和する目的もあり、生産能力拡大への積極的な投資を続けている。
セグメント別でみると半導体ファウンドリによる製造キャパシティの拡大が顕著で2024年に11%、2025年に10%増加する見通し。Intelのファウンドリー事業の確立と中国の生産能力拡大がその大きな要因となっている。
また、AIサーバー向けの高速プロセッサの需要によりHBMのニーズが急速に高まり、DRAMの製造キャパシティを押し上げている。DRAMメーカーによる製造能力は2024年、2025年ともに 9%増加すると予想されている。DRAMに関しては、AIアプリケーションの増加により主流のスマートフォンやノートPCのDRAM容量が増加すると予想され、更にDRAM需要を高めるとみられている。対照的に、3D NAND市場の回復は依然として緩やかで、2024年はゼロ成長、2025年には5%の増加が見込まれている。
※SEMI
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2024.06.20
)