Synopsysがソフトウェア・インテグリティ・グループの事業を売却

2024年5月6日、Synopsysは同社のソフトウェア・インテグリティ・グループの事業を大手投資会社に売却することを発表した。

プレスリリース

SynopsysはEDAツールや各種設計・検証IPとは異なる事業ドメインとして、ソフトウェアの品質向上やセキュリティ強化のためのソリューションを扱うソフトウェア・インテグリティ・グループ事業を手掛けていたが、このほど同グループの事業をテクノロジー分野の大手投資会社Clearlake CapitalとFrancisco Partnersの両社に売却するという決定を下した。売却金額は最大21億ドル相当になるとみられている。

事業の売却は2024年下半期に完了する予定で、独立した新たな非公開会社が設立され、現在のSynopsysソフトウェア・インテグリティ・グループの経営陣が会社を率いることが期待されている。

Synopsysは2014年にソフトウェアの品質テストのCoverityを買収したのを皮切りに、テストやセキュリティに関連するソフトウェア開発企業を次々に買収しソフトウェア・インテグリティ・グループ事業を築き上げてきた。2014年から2023年までに買収した企業数は発表されているもので計13社。2015年Codenomicon社、2017年Black Duck Software、2022年NTT Application Securityなど大型の買収も含まれている。

今年2月に発表されたSynopsysの2024会計年度第1四半期(23年11月-24年1月)の四半期決算によると、売上額16億4900万ドルのうちソフトウェア・インテグリティ・グループ事業の売上額は全体の8.4%に当たる1億3820万ドルだった。

SynopsysはEDA、IPに続く次の一手として10年に渡りソフトウェア開発向けの事業を育ててきたが、今回の事業売却を機に経営方針を転換。今後は昨年買収を発表したAnsysのソリューションを中心にシステム分野への投資を加速させると見られる。

日本シノプシス合同会社

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2024.05.07 )