CadenceがCAEソフトのBETA CAE Systemsを12.4億ドルで買収し構造解析分野へ参入
2024年3月5日、CadenceはスイスBETA CAE Systemsの買収を発表した。
発表によるとCadenceによるBETA CAE Systemsの買収額は12億4,000万ドルで、BETA CAE Systemsの年間売上額の約14倍。2024年第2四半期に買収が完了する予定となっている。
BETA CAE Systemsは、1993年にギリシャで設立されたCAEソフトの会社で現在本社はスイスに置き、世界13カ国に事業所を持っている。同社の主力製品は大きく下記の4製品で自動車業界では構造解析分野のデファクト製品としてメーカー上位10社およびほとんどのF1レーシングチームで利用されている。(※自動車業界以外にも航空宇宙、防衛、エネルギー、建設など、様々な業界で利用されている)
ANSA: 構造解析用のメッシュ生成を行うプリプロセッサ
META: 構造解析結果の可視化を行うポストプロセッサ
EPILYSIS: 構造解析ソルバー
SPDRM: CAEデータ管理ツール
Cadenceはこれまでシステム解析分野において買収戦略を繰り返し、EM、サーマル、シグナル・インテグリティ、パワー・インテグリティ、CFDの各領域に対応するマルチフィジックス解析プラットフォームを構築してきた。今回の買収により新たに構造解析ソリューションもポートフォリオに加わり、同社のマルチフィジックス解析ソリューションは更に強固なものとなる。
おマルチフィジックス解析では、Ansys、Comsol、Abaqusなどが業界大手となるが、Ansysは今年1月にSynopsysによる買収が発表されている。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2024.03.15
)