Blue Cheetah Analog Designというチップレットで注目の会社

2024年2月6日、ファブレス半導体ベンダTenstorrentとインターコネクトIPを手掛けるBlue Cheetah Analog Designは、TenstorrentがAIおよびRISC-Vチップレット・ソリューション向けにBlue Cheetahのダイツーダイ・インターコネクトIPのライセンスを取得したことを発表した。
TenstorrentはJim Keller氏率いるAIチップ・ベンダとして有名だが、Blue Cheetahは新興のIPベンダで日本ではあまり知られていない。同社は2018年創業で本拠地はカリフォルニア州サニーベール。創業者でCEOのElad Alon氏はスタンフォード大出身でUCバークレーの教授、共同創業者でCOOのTom Kelly氏は元Cadenceのアナログ/ミックスシグナルIC設計部門のトップで、同社には同じくCadenceアナログ部門出身のメンバーが複数名所属している。
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Blue Cheetahの提供するインターコネクトIPソリューションは、チップレット設計におけるダイツーダイ相互接続インタフェースの構築において活用されるもので、独自のジェネレータ・テクノロジーにより、パッケージング・タイプ、データ・レート、I/O 構成、プロセスなどに合わせて2つのダイ間のNoCとNoCを繋ぐ低遅延の物理層(PHY)およびリンク層カスタム・インタフェースを素早く構築することが可能。チップレット向けの相互接続仕様「Open Compute Project (OCP) Bunch of Wires (BoW) 」と「Universal Chiplet Interconnect Express (UCIe) 」の両方をサポートし、現在は4nm、5nm、7nm、12nm、16nmプロセス・テクノロジーに対応している。
 
TenstorrentのJim Keller氏は、Blue CheetahのIPを採用することで、自社だけでなく顧客やパートナーのチップレット・ベースのAIおよびRISC-Vソリューションの開発を加速することを目指すとコメントしており、Blue Cheetahとの提携によりチップレット・ベースのエコシステムを育成することに期待を寄せている。
チップレット設計は今後の半導体製品開発を変える手法として注目を集めているが、チップIPをプラグランドプレイで自由に接続してパッケージ化するという理想形には相互接続仕様の標準化も含めてまだまだ程遠い。チップレット黎明期の現状ではBlue CheetahのようなチップIPの相互接続を手助けしてくれるソリューションが必要で、Blue Cheetahはチップレット界隈の貴重なプレーヤーとして知名度を上げている。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2024.02.22 )