Alibaba CloudがRISC-VベースのSoC開発プラットフォーム「Wujian 600」を発表
2022年8月24日、Alibaba Cloudは、RISC-VベースのSoC開発プラットフォーム「Wujian 600」を発表した。
今回の発表は8/24から開催されている「RISC-V Summit China 2022」で発表された。
「Wujian 600」はエッジSoC向けの開発プラットフォームとされているが、その仕様の詳細や入手・アクセス方法などは明らかにされていない。
明らかなのは「Wujian 600」は、Alibabaのチップ設計子会社T-Headが開発したプラットフォームで、既に同プラットフォームを用いて「TH1520」というSoCが開発されている。
「TH1520」は、クアッドコアCPU「XuanTie C910」、Imagination TechnologiesのGPU「BXM-4-64」とAIアクセラレーター「AX3386」、DDRメモリコントローラー、各種標準I/Oインターフェイスなど構成されており最大動作周波数は2.5Ghz、4Top/sのニューラル処理を実現できる。「TH1520」はTEEセキュリティ認証スキームを採用しており、既にAlibabaのエコシステム内で利用されているとの話。
T-Headが開発した「XuanTie C910」は、12ステージのスーパースカラー・パイプラインを備えたRISC-V RV64GCベースのプロセッサでオープンソースで公開されている。(GitHubで入手可能、データシートはこちら)
「Wujian 600」は開発コストを削減し、カスタムチップの設計サイクルを短縮することを目的に用意されたプラットフォームで最適化されたソフトウェアスタックも用意されているとのこと。Alibabaは同開発プラットフォームのライセンスをRISC-Vコミュニティに提供し、誰もが高性能RISC-V SoCを容易に量産できるようになることを目指しているという。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2022.08.26
)