熊本大学の飯田教授がFPGA関連技術の特許侵害でIntelを提訴
2022年6月28日、米国のリーガルニュースサイトLAW STREETは、熊本大学の飯田全広教授が特許侵害でIntelを提訴したことを報じた。
記事によると飯田教授は2022年6月24日にIntelによる特定のプログラマブルロジックデバイスの製造および販売に関連して、米国特許第6,812,737号を侵害したとしてIntelを提訴した。原告は特許を侵害しているデバイスの売上高は、対応するIntel事業部門の2021年の売上19億3400万ドルの少なくとも80%を占めると主張している。
飯田教授は2001年熊本大学博士課程在学中に、LUT(ルックアップテーブル)の構成方法に関する特許「ルックアップテーブル、ルックアップテーブルを備えるプログラマブル論理回路装置、および、ルックアップテーブルの構成方法」を取得。2004年に米国特許第6,812,737号「Programmable logic circuit device having look up table enabling to reduce implementation area」を取得している。同米国特許は今週有効期限が切れる予定で、2014年以降、飯田教授は同特許の唯一の所有者だという。
訴状によると、特許を侵害しているのはALM(アダプティブ・ロジック・モジュール)を採用したIntelのFPGAとSoCで、Intelが買収したAlteraが2004年からFPGA「StratixII」シリーズの製品でALMを使用し始め、IntelはAlteraを買収してからもALMを採用したStratix、Arria、Cycloneシリーズの製品の開発と販売を続けていた。また、Intelは少なくとも2018年2月に原告の弁護士がIntelに特許侵害の可能性に関する手紙を送った時から、'737特許と飯田教授の具体的な主張について知っていたということだ。
訴状には、特許の直接侵害および間接侵害、2つの救済請求が記載されており、飯田教授は特許をIntelにライセンスした場合に受け取ったであろうロイヤルティ以上の金銭的損害賠償を要求しているという。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2022.06.30
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