Synopsysの論理合成/配置配線ツール「Fusion Compiler」のテープアウト実績が500を超える

2021年12月2日、Synopsysは同社の論理合成/配置配線ツール「Fusion Compiler」の顧客利用実績について発表した。
発表によると2019年の製品リリース以降、「Fusion Compiler」を用いたテープアウト件数は500件を超えた。Synopsysの説明では40nm?3nmの幅広いプロセスで、5Gモバイル, HPC, AI, ハイパースケール・データセンター,といった様々なセグメント向けのチップで成功を収めているという。
「Fusion Compiler」は、論理合成/配置配線(RTL-to-GDSII)を一括で処理することができる独立したインプリメンテーション・ツールで、単一のデータモデルを利用、サインオフ精度のタイミング、寄生抽出、電力解析エンジンも内蔵されている。Synopsysは「Fusion Compiler」を利用してRTL-to-GDSIIフローを最適化することで、設計結果品質を20%、開発スピードを2倍に向上できるとアピールしていたが、実際の顧客実績においては競合ソリューションと比較して、平均してチップ性能20%向上、消費電力15%削減、面積5%削減といった結果を達成しているとのこと。発表にはSamsungやキオクシアといった主要顧客がコメントを寄せているが、キオクシアは「Fusion Compiler」を用いた直近のテープアウトで消費電力40%、面積10%の削減に成功したという。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2021.12.15 )