NSITEXEのRISC-Vベースプロセッサがまた世界初-Vector Extension実装プロセッサとしてASIL D認証

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2021年7月13日、デンソー子会社のIPベンダNSITEXEは、同社の開発したDFP(Data Flow Processor)「DR1000C」がISO 26262 ASIL D Ready認証を取得したことを発表した。
NSITEXEによると、RISC-V Vector Extensionを実装したプロセッサとして、ISO 26262 ASIL D Readyの認証を受けるのは、同社の「DR1000C」が世界初だという。
NSITEXEの開発するDFP(Data Flow Processor)は、世界初の車載向けRISC-Vベースプロセッサであり、RISC-VベースプロセッサとしてISO 26262 ASIL D の認証を受けたのも世界初だった。今回の認証により同社のDFPは3回目の世界初を実現したことになる。
今回ASIL D認証を受けた「DR1000C」は、モデル予測制御、AI推論、センサー処理など、セーフティクリティカル・システムをターゲットとした車両制御マイコンの高負荷演算処理をオフロードするのに最適なプロセッサIPで、最大16個のハードウエア・スレッドがベクトル・プロセッサを効率的に使用することで非常に高い電力性能を実現。以下のようなハードウエア・ランダム故障を検出する機能が統合されているため、外部に特殊な安全機構を追加せずにASIL Dの安全要求を達成可能だという。
・メモリの誤り訂正コード(ECC)
・プロセッサ部のデュアルコアロックステップ機構
・バスのプロトコル診断機能
・エラーマネジメントユニット:自己診断用のエラー注入及び各エラーのホストへのレポートやステータスを管理
また「DR1000C」のベクトルプロセッサ部は、ロックステップ診断とソフトウエア診断を切り替えて使用できるため、実行するアプリケーションの性能要求と求められる安全基準によって様々なユースケースに対応可能。「DR1000C」用のSDK(Software Development Kit)およびHSK(Hardware Safety Kit)を利用することで、ユーザーはアプリケーション開発の効率化、認証取得の期間短縮といったメリットも享受できる。
なおNSITEXEは「DR1000C」を車載制御専用プロセッサとしている訳ではなく、FA等の産業機器、RADAR等のセンサー処理など、様々な組込み領域のアプリケーションへ応用可能だとしている。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2021.07.13 )