図研がMBSEツール「GENESYS-CR」を発売、エレキ設計における要求と設計のトレーサビリティを最適化
2021年7月2日、図研は新製品「GENESYS-CR」の発売を発表した。
「GENESYS-CR」は、図研が2019年に買収したMBSEツールベンダ「Vitech」のツール「GENESYS」をベースに開発されたMBSEツールで、エレキ設計における要求と設計のトレーサビリティの最適化を実現するもの。
図研はMBSE(Model Based Systems Engineering)への取り組みを明確に打ち出し、数年前からMBSEによるシステム設計手法と自社のエレキ設計環境を繋ぐためのソリューションを提供し始めている。
今回発表された「GENESYS-CR」は、図研のMBSEモデリングツール「GENESYS」と回路設計ツール「CR-8000 Design Gateway」をつなぐもので、「GENESYS」を用いて作成した要求-機能-検証モデルと「Design Gateway」で設計した回路を対応させ、要求とその設計(回路)のトレースを実現。これにより回路に対する要求や課題の参照、設計変更の影響範囲の確認などが可能となる。
「GENESYS-CR」はあらかじめエレキ設計に特化した要求のカテゴリや検証定義のテンプレートが用意されており、MBSEに精通していないエレキ設計者でも容易にモデリングが可能。Excelでまとめられた既存の設計データをインポートしたり、様々なドキュメント形式で作成したモデルをエクスポートすることができる。
図研はMBSEによる設計上流工程での要求分析や仕様検討が大規模・複雑化するエレキ設計に有効であると考えており、今回発売した「GENESYS-CR」を活用し、ドキュメントベースの開発をモデルベースに切り替えることで、設計の効率化、品質向上だけでなく、製品開発における知見の構築、設計ノウハウの資産化も可能になるとしている。
EDA Expressではオンライン・インタビュー企画の第四弾として、図研からゲストを招いて「MBSEの日本の実情」についてインタビューを行う予定。
ご興味ある方は、どうぞお気軽にオンライン・インタビューにご参加下さい。
https://www.eda-express.com/2021/07/zoom-mbse.html
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2021.07.05
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