日本のAIチップベンチャーArchiTekがエッジ向けAIプロセッサ「AiOnIc」を発表-SiFiveのRISC-Vコアを採用

2021年3月18日、大阪のAIチップベンチャーArchiTekと商用RISC-VプロセッサIPの大手SiFiveは、ArchiTekの最初の製品となるAIプロセッサ「AiOnIc」について発表した。
発表によると、ArchiTeKの開発したAIプロセッサ「AiOnIc」には、独自のエンジン「ArchiTekIntelligence®PixelEngine(aIPE)」に加えてSiFive社のE3シリーズRISC-VプロセッサIPが搭載されており、CPU、GPU、専用LSIの利点を組み合わせてハードウェアの使用を動的に調整することが可能。このアーキテクチャにより汎用的なCPUやGPUよりも大幅に低電力かつ高効率なAI処理を実現する。
「AiOnIc」はエッジでのAI処理をターゲットとしたプロセッサで非常に小型である事も特徴の一つ。TSMC12nmプロセスで作られるチップのサイズは4.5ミリ角で、その低電力性能によりファンレス設計が可能だという。
ArchiTekの独自のエンジン「ArchiTekIntelligence®PixelEngine(aIPE)」は、予め用意される信号処理、ソート、多機能DMA、行列演算/逆行列演算、FFT向けのエンジンと汎用的なGPUで構成されており、ハードウェア浮動小数点ユニットを含む5ステージ・パイプラインを備えた32ビットRISC-Vプロセッサ「SiFiveE3シリーズコア」と組み合わせることで様々なアルゴリズムに対応することが可能。例えばSLAM処理を汎用CPUの20分の1の時間、OpenPoseを用いた人間の姿勢推定をGPUの3.8倍の速度で処理できるという。
なお、ArchiTekのCEO兼CTOである高田周一氏は、SiFiveE3シリーズコアIPにより、パフォーマンス、電力、およびエリアの目標を達成することができ、SiFiveの設計環境CoreDesignerとSiFiveの代理店DTSインサイトの協力が開発時間の短縮に役立ったとコメントしている。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2021.03.19 )