ルネサスがISSCCで発表した自動運転向けのプロセッサ技術
2021年2月17日、ルネサス エレクトロニクスは、同社が開発した自動運転向けのプロセッサ技術について発表した。
ルネサスが開発したプロセッサ技術は下記3つで、これら技術は既に昨年製品化されている車載用SoC「R-Car V3U」に適用済み。ルネサスはそれら技術の詳細について2月に開催されたISSCC(International Solid-State Circuits Conference)で発表した。
(1)60.4TOPSのディープラーニング性能と13.8TOPS/Wの電力効率を実現したハードウェア・アクセラレータ・コア
(2)偶発的に発生するハードウェア故障を高速に検出、制御する高度なセーフティメカニズム
(3)SoC上で混在する異なる安全性レベルのソフトウェアタスクを相互干渉なく動作させる機構
ルネサスによると開発したアクセラレータはCNN専用アクセラレータで、「R-Car V3U」には同アクセラレータを3個搭載。アクセラレータ専用のメモリを計6MB(1コアあたり2MB)搭載することでCNN処理における外付けDRAMとの転送データ量を9割以上削減。高いCNN処理性能と優れた電力効率を世界最高レベルで両立できたとしている。
また、ランダムなハードウェア故障を高速に検出、制御するセーフティ・メカニズムを搭載した「R-Car V3U」は、信号処理の大部分において機能安全規格ISO26262 ASIL Dのメトリクスを達成見込みでSoC単独の自己診断が可能。ソフトウェアタスク間の無干渉(FFI)支援機構は、SoC内のインターコネクトを流れる全データを監視し、動作する全てのタスク間の不正なアクセスを遮断することができるという。
※画像はルネサス社ホームページ上のデータ
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2021.03.08
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