超低消費電力のアナログAIチップを手掛ける米Aspinityが530万ドルの資金調達に成功
2020年9月2日、超低消費電力のアナログAIチップを手掛ける米Aspinityは、資金調達Aランドで530万ドルの資金調達に成功したことを発表した。
2015年に設立されたAspinityは、米ウェストバージニア大学のスピンアウトで、RAMP(Reconfigurable Analog Modular Processor)と呼ぶアナログ機械学習プロセッサを開発している。「RAMP」は超低消費電力という特長を武器に、バッテリーで駆動する常時オンのセンシング・デバイスをターゲットとしており、既にスマート・スピーカーを扱うAmazonや音声制御ソリューションを提供するInfineon、STMicroelectronicsらと協業関係を構築している。
Aspinityのアプローチは、センサーからの入力データを全てデジタル化せずに、独自の超低電力アナログ手法でセンサーデータを分析し、重要なデータを検出した時だけそのデータをデジタル化して処理をする。このやり方は全ての受信センサーデータを継続的にデジタル化して処理する一般的な手法と違い、常時オンデバイスのバッテリー消費を大幅に減らすことができるという。
今回の資金調達にはAmazonのAlexa Fundも含まれており、同社の累計調達額はシード・ラウンドの290万ドルも含めて計820万ドルとなる。
Aspinityのは既に「RAMP」のサンプル出荷をはじめており、今回調達した資金は、製品ロードマップの加速と技術・サポートチームの強化に充てるという。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2020.09.16
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