2019年世界IP市場は前年比5.2%増の成長、IPnestによるIP市場分析

2020年4月21日、Electronics Weekly.comの記事:
市場調査会社IPnestの報告によると、2019年世界IP市場は前年比5.2%増の成長を記録。
市場シェア40.8%で首位のArmはライセンス収入が13.8%増だったが、ロイヤリティ収入は6%減少した。Armはスマートフォンの出荷減によりロイヤリティが減少したと説明している。
IPnestはRISC-VがArmの売上に影響を与えるとすると2年後としている。つまり今のところRISC-VベースのIPがArmのシェアを奪っている訳ではない。
市場シェア18.2%で2位のSynopsysは前年比13.8%増の成長を見せた。
Synopsysの成長の原動力はインターフェイスIPで同分野は前年比19.3%増の成長だった。
市場シェア5.9%で3位のCadenceは前年比22.9%の成長を見せた。Synopsys同様インタフェースIPとDSP IP(Tensilica)が好調だった。
製品別の市場シェアを前年比でみると、プロセッサIP(CPU,GPU,DSP)は53.5%から51%に減少、インターフェースIPは20.3%から22.1%に増加した。2016年時点では、インターフェイスIPのシェアは16.9%、プロセッサIPのシェアは63.8%だった。
インターフェースIPは成長率と市場シェアの両面で最大の伸びを示し、2019年の売上額は8億7000万ドルに達した。同分野の売上はこの10年間で4倍に増加した。IPnestはこの成長はニーズの変化によるものと指摘。モバイルSoCのプロトコルのニーズから、データセンターやネットワーク、4G/5G基地局などにおけるメモリコントローラ、PCIe、Ethernet、D2D(Die-to-Die)プロトコルなどのニーズが増加しているとしている。
IPnestは、IP市場の成功企業にはSynopsys,Cadenceなどの総合デパートタイプの企業と特定分野の専門企業の2種類があるとしており、専門企業の成功例として下記の企業を挙げている。
Arteris:NoC(Network on Chip)のリーダー、前年比60%成長、2019年の売上は3000万ドル超
Silicon Creations:AMS分野のリーダーでSynopsysを抜いて同分野のトップ
Alphawave:高度なSerDesで2019年の売上2500万ドル(設立2年目)
SST:NVM IP分野のリーダー、2019年の売上は1億ドル超で2位の倍以上

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2020.04.22 )