PFNが独自開発のディープラーニング・プロセッサー「MN-Core」を発表
2018年12月12日、マシン・ラーニング、ディープラーニングの分野での急成長が注目されている日本のベンチャーPreferred Networksは、独自開発したディープラーニング・プロセッサー「MN-Core」を発表した。
発表によると「MN-Core」はディープラーニングの学習フェーズに特化したプロセッサーで、学習の中心となる行列の積和演算に特化し、ワンチップにMAB(Matrix Arithmetic Block)と呼ぶ行列演算器ブロックを計2,048個搭載。条件分岐のない完全SIMD動作が可能なシンプルなアーキテクチャによりディープラーニングの高速化を実現する。
「MN-Core」のピーク性能は半精度(FP16)で524TFLOPSと市販の先端GPUを大きく上回り、電力性能については半精度(FP16)で1 TFLOPS/Wを実現できる見込み。この数値は世界最高レベルだという。
PFNは「MN-Core」を1つ搭載する「MN-Core Board」と呼ぶPCIeボードと、同ボードを4枚搭載可能な「MN-Core Server」と呼ぶラックを用意。ボードにもラックにも「MN-Core」の性能を引き出す冷却機能が備えられており、「MN-Core Server」1台でおよそ2PFLOPS(FP16)の性能を見込んでいる。
PFNは2020年春の稼働を目標に「MN-Core Server」を1000台以上用いた大規模クラスター「MN-3」を構築する計画で、最終的に計算速度を2EFLOPSまで拡大することを目指しているとの事。PFNは独自開発したディープラーニング・フレームワーク「Chainer」と「MN-Core」の両輪でディープラーニングとそれによるビジネスのアクセラレーションを目指す。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2018.12.12
)