NEDOらがアナログ抵抗変化素子を用いた超ローパワーエッジ向けAI回路を開発
2018年6月18日、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、パナソニックセミコンダクターソリューションズ(株)、北海道大学とともに、アナログ抵抗変化素子を用いたAI半導体向けの脳型情報処理回路を開発し、世界最高水準の低消費電力動作の実証に成功したと発表した。
発表によると今回NEDOらが開発したAIチップは、データ保存用のメモリーと積和演算器を用いる代わりに、アナログ抵抗変化素子(Resistive Analog Neuro Device: RAND)を用いてデータ保存機能と積和演算機能を一体化した回路を開発。RANDを用いたAIチップはすでに製品化されているパナソニックのReRAM(不揮発性抵抗変化メモリー)をベースにパナソニックのReRAM製造プロセスを応用して開発した。40nmプロセスで開発したRANDのテストチップは66.5 TOPS/Wという世界最高水準の低消費電力で動作する事が確認された。
この研究開発成果の一部は、米国ホノルルで開催中の「2018 Symposia on VLSI Technology and Circuits」で発表されるという。
NEDOは今回の成果を、クラウド学習用、クラウド学習・推論兼用、クラウド推論用、エッジ推論用と分類分けしていたAI半導体に、新たに「エッジ学習・推論兼用」のカテゴリを切り開くものと位置付けている。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2018.06.21
)