Synopsysがスタティック・タイミング解析ツール「PrimeTime」にAI技術を搭載
2018年6月5日、SynopsysはAI技術を組み込んだデジタル・デザイン向けソリューションについて発表した。
発表によるとSynopsysは業界標準のサインオフツールであるスタティック・タイミング解析ツール「PrimeTime」にAI技術を搭載。デザイン・インプリメンテーション工程におけるパワー・リカバリーの大幅な効率化を実現した。その技術に関する詳細は明らかにされていないが、パワー・リカバリーに関する学習結果をパワー・リカバリーのECOに応用するもののようだ。
この取り組みはパートナー企業との協業の一環として行われたもので、その背景には設計自動化におけるAI投資の拡大というSynopsysの戦略がある。
発表に寄せられたルネサスエレクトロニクス岡部秀之氏(ブロードベースドソリューション事業本部 共通技術開発第二統括部 デジタル設計技術部 部長)のコメントによると、AIを組み込んだ「PrimeTime」を大規模SoCで試したところ、タイミングとパワーの最適化品質を落とすことなく、パワー・リカバリーのECOを4倍以上の速さで実現。数日を要していたECOを数時間で完了できたとの事。Synopsys自身も顧客企業の最先端プロセス・デザインでパワー・リカバリーの5倍高速化を達成したとしている。
なお、ルネサスによるAIを組み込んだ「PrimeTime」の活用事例については、今月6月13日に開催されるSynopsysのセミナーイベント「SNUG Japan 2018」の下記セッションにてその詳細が紹介されるようだ。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2018.06.06
)