ルネサスとASTCがADASシステム開発向けの仮想環境を共同開発
2017年10月24日、ルネサス エレクトロニクスとバーチャル・プラットフォーム・ソリューションを手掛けるASTCは、共同開発したADASシステム開発向けの仮想環境について発表した。
発表によると両社は、ルネサスの車載向けSoC「R-Car V3M」のモデルを組込んだ仮想環境「VLAB/IMP-TASimulator」を開発。同仮想環境を用いる事で実機ボード無しでPC上で「R-Car V3M」を用いたADASシステムなどの組み込みソフトウェアを開発できるようになる。
「VLAB/IMP-TASimulator」の主な特長としては、「R-Car V3M」内蔵の画像認識エンジン「IMP-X5」がモデルとして再現されている点、ASTC独自の高速シミュレーション技術「タイミング相関型シミュレーション」が搭載されている点が挙げられており、「IMP-X5」向けソフトウェア開発期間の大幅な削減とハードウェアの性能見積もりの大幅な高速化が実現できるという。
ADASシステムや自動運転システムの開発は、現在最も熾烈な開発競争が繰り広げられている分野の一つ。数年前まで半導体ユーザーのOEM、Tier1にとって仮想環境の活用は取り組むべき課題の一つであったが、ここ最近は開発効率化のための大きな命題となってきており、今回のルネサス/ASTCのスピーディーな動きにもそれが見て取れる。
「VLAB/IMP-TASimulator」は、ASTCおよび同社子会社のVLAB Worksが2018年Q1から提供を開始する予定。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2017.10.25
)