Cadenceから新型のニューラルネットワークDSP IPが登場-スタンドアロンで毎秒1テラMACの演算能力を提供
2017年5月8日、Cadenceは新製品となるニューラルネットワークDSP IPコア「Tensilica® Vision C5 DSP」を発表した。
「Tensilica® Vision C5 DSP」は、HWアクセラレータではなくスタンドアローンでニューラルネットワーク処理を実行可能なDSP IPで、自己完結型のニューラルネットワークDSPという意味で業界初の製品となる。
「Tensilica® Vision C5 DSP」の強みはニューラルネットワーク処理を用いるビジョン、レーダー/ライダー、センサーフュージョンなどのアプリケーション向けに最適化されたアーキテクチャを採用している点で、以下のような特徴を持つ。
・畳み込み関数だけでなく、あらゆるニューラルネットワークの演算層(畳み込み、全結合、プーリング、正規化)を高速化可能
・「Tensilica® Vision C5 DSP」が推論タスクを実行する間メインのビジョン/イメージングDSPを解放可能
・ニューラルネットワークDSPとメインのビジョン/イメージングDSP間のデータ転送が不要
これにより、毎秒1テラMACという高い演算性能とともに高い電力効率を実現(電力効率GPU比最大10倍)。シリコン実装面積は1平方ミリメートル以下に収まる。
※画像は全てCadence提供のデータ
Cadenceのベンチマーク結果では、市場で入手可能なGPUと比較して「Tensilica® Vision C5 DSP」による処理の方が、AlexNet CNNで最大6倍、Inception V3 CNNで最大9倍高速だったという事だが、CadenceはGPUとの比較よりも、電力効率、開発のし易さ、プログラマブル性など、ハードウェア・アクセラレータに対する優位性を強調している。
「Tensilica® Vision C5 DSP」は現在先行顧客とプロジェクトを進行中との話。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2017.05.17
)