FPGAベース・プロトタイピングのS2C、新たにAltera製FPGA「Arria 10」搭載システムを開発中

2016年11月29日、FPGAベースのプロトタイピング・システムを手掛けるS2Cは、Intel(Altera)製FPGAを搭載する同社の新製品について発表した。

発表によるとS2Cは現在、Intel(Altera)の20nm FPGA「Arria 10」を搭載するプロトタイピング・システムの新製品「Arria 10 Prodigy FPGA Prototyping Logic Module」を開発中で、来年前半に市場投入を計画している。
同新製品に搭載されるFPGAは「Arria 10」ファミリとして最大のロジック容量を誇る「GX 1150」で、同FPGAには1チップに150万個のロジック・エレメント、53MbsのM20Kメモリ、3036個のDSPリソースが載っている。まずは「Arria 10 GX 1150」が1個搭載されている製品が出てくるようだが、複数ボードを連結する事でデザイン容量の拡張は可能。S2Cは簡単に複数ボードを繋ぐ事ができるハード/ソフトのインフラを用意している。
S2Cによると、「Arria 10 Prodigy FPGA Prototyping Logic Module」は、Intel(Altera)のOpenCL向け Software Development Kit (SDK)と互換性があり、OpenCLベースのFPGA実装が可能。システムを容易に活用できるだけでなく、優れたコストパフォーマンスをユーザーに提供可能だという。
市販のFPGAベース・プロトタイピング・システムは、Xilinx製のFPGAをベースにしたものが主流となっており、Intel(Altera)製FPGAを搭載する製品はかなりの少数派となっている。今回発表されたS2Cの試みは市場の隙間を突いた戦略と言えるが、多数のAlteraユーザーの存在やOpenCLサポートをはじめとするIntel(Altera)製FPGAの独自性考えると今後の展開が楽しみな製品と言えるだろう。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2016.12.08 )