ARMがCarbonからバーチャル・プロトタイピング・ツール及びその事業資産を買収

2015年10月21日、ARMはESLツールを手掛けるCarbon Design Systemsから製品および事業資産を買収した事を発表した。
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今回の買収に関する取引条件は明らかにされていないが、事業の買収に伴いCarbonの従業員はARMに移籍する様子。
Carbonは2002年にボストンで設立されたEDAベンダで、RTLから高速なサイクル精度のシミュレーションモデルを生成する「Carbon Model Studio」と2008年にARMから買収したバーチャル・プロトタイピング・ツール「Carbon SoCDesigner+」、そしてバーチャル・プロトタイピング用の各種モデルを提供するクラウド・インフラ「Carbon IP Exchange」を提供していた。
Carbonのうりは「100% Cycle Accurateな仮想化環境」で、密接な関係にあるARMをはじめ、Imagination Technologies, CEVA, Cadence, Arteris, DMP, VeriSiliconなど業界IPベンダ各社のモデルを豊富に揃え、ARMベースSoCの開発環境としてサムスンなど大手にも活用されている。これらCarbonの提供するモデル群は将来的に「ARM Cycle Model」として「ARM IP Exchange」上で提供される予定となっている。
ARMは昨年もシステムレベルのSoC設計ツールを手掛けるDuolog Technologiesを買収しており、今回のCarbonからの事業買収も含め、システムレベルの開発環境の拡充を図っている。※関連ニュース 

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2015.10.21 )