【52DAC】各社がXilinx Virtex UltraScale搭載のプロトタイピング・ボードを投入

FPGAベースのプロトタイピング・ボードを手掛けるAldecとPro Designの両社は、52DACの開催に合わせて新製品の発表を行った。
両社が発表した新製品はいずれもXilinx製の20nm FPGA「Virtex UltraScale VU440」を搭載するもので、Aldecの「HES-7」は一つのボード上に「Virtex UltraScale VU440」を6個搭載しており、この搭載数は今のところ業界最大。ボードに実装可能なデザイン容量やボードの最大接続数などの詳細は不明だが、Aldecはボードを接続すればデザイン容量はゆうに10億ゲートの域に達するとしている。
一方、Pro Designは今年2月末に業界に先駆けて「Virtex UltraScale VU440」を4個搭載した「proFPGA quad VUS 440 System」の市場投入をアナウンスしていたが、今回は「Virtex UltraScale VU440」を1個搭載する「proFPGA UNO」、2個搭載する「proFPGA DUO」のリリースを発表している。
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※画像はPro Designの「proFPGA quad VUS 440 System」
また同じくFPGAベースのプロトタイピング・ボードを手掛けるS2Cも先頃「Virtex UltraScale VU440」を搭載する「VU440 Prodigy Logic Module」を発表しているが、同社は今のところFPGA1個搭載のシングル・ボードのみのラインナップとなっている。
なお、FPGAベースのプロトタイピング・ボード市場ではSynopsysが提供する「HAPS」が大きなシェアを握っているが、遅かれ早かれSynopsysも「Virtex UltraScale VU440」搭載の「HAPS」を市場投入してくるに違いない。搭載するFPGAが同じとなると、次なる差別化ポイントは価格、立ち上げ易さ、運用性、オプション数などになり、各社ともに独自性の強化に力を注いでいるように見えるが、独自性という意味ではAltera推しのベンダが出てくると市場は更に面白くなるだろう。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2015.06.11 )