SynopsysのESLソリューションを京セラとFaradayが採用

2014年11月6日、Synopsysは京セラドキュメントソリューションズが同社のカスタム・プロセッサ開発ツール「Processor Designer」を採用した事を発表した。



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発表によると京セラドキュメントソリューションズは、次世代多機能プリンター向け高性能DSPの開発で「Processor Designer」を採用。これによりソフトウェア開発キットとRTLの生成にかかる工数を目標としていた開発期間よりも9ヶ月も早くDSPの開発を完了した。

工数を大幅に短縮出来たのは「Processor Designer」を利用すれば、LISA言語で記述したDSPの仕様記述から、合成可能なRTLと命令セットシミュレータ/アセンブラ/リンカ/デバッガ/Cコンパイラなどのソフトウェア開発キットを自動生成できるため。

※画像はSynopsys社Web上で公開のデータ


京セラドキュメントソリューションズのモチベーションは、画像処理用の専用ハードを高性能DSPに置き換える事でプリンター・ファミリー製品の機種間の差異に柔軟に対応する事にあった。「Processor Designer」を用いることで画像処理機能に合わせてDSPアーキテクチャの最適化に専念でき、結果として汎用DSPよりも高性能なDSPを短期間で実現した。



2014年12月5日、SynopsysはFaraday Technologyが同社の仮想プロトタイピング・ソリューション「Virtualizer」を採用した事を発表した。


発表によるとFaradayは、マルチメディア/ネットワーキング/ディスプレイ機器向けの様々なSoCデザイン向けのソフトウェア開発キットを開発するために「Virtualizer」を採用した。Faradayの開発するソフトウェア開発キットは、同社の顧客に提供するためのもので、これを利用する事でFaradayの顧客はFaradayに依頼したSoCの設計が完了する前(最大12ヶ月前)にソフトウェアの開発に着手できるようになる。

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Faradayが「Virtualizer」を使用して開発するソフトウェア開発キットは、同社が持つ様々なIPのTLMモデルを組み合わせたもので、それらTLMモデルは「TLM Creator」という「Virtualizer」の付属ツールを用いて短期間で開発できるという。

Synopsysはソフトウェア先行開発用に使用するバーチャル・プラットフォーム・ベースのソフトウェア開発キットを「VDK」と呼び、自ら各種「VDK」を開発して顧客に提供しているが、最近はSoCベンダが自ら「VDK」を開発し顧客に提供するというケースが出てきているようだ。


※画像はSystemC Japan 2014での日本シノプシス講演データ

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2014.12.12 )