医療機器のテルモが制御回路の開発でNECの高位合成「Cyber」を採用、工数6割削減
2014年8月25日、NECはテルモが同社の提供する高位合成ツール「CyberWorkBench」を採用した事を発表した。
発表によるとテルモは、輸液管理用医療機器に用いる制御FPGAの設計に「CyberWorkBench 」を採用。「CyberWorkBench 」を導入した事により、従来の人手設計と比較して工数を約6割短縮出来たという。
テルモでは医療機器向けの制御FPGAを元となるC言語記述から人手で設計しており、その効率化が課題となっていた。具体的には、人手設計によるバグの混入防止や仕様変更の度に発生する回路修正作業の大幅削減が課題だった。
「CyberWorkBench」は数ある高位合成ツールの中でもFPGAターゲットの合成に最も注力しているツールで、デバイスの特性に応じた細かな最適化を行うのも特徴の一つ。今回のテルモの事例においても「CyberWorkBench」の各種FPGA向けの最適化機能が駆使されているはずで、それによって回路の設計品質が保たれていると思われる。
また、「CyberWorkBench」は古くから「制御回路設計にも使える高位合成ツール」として打ち出しており、その実績やノウハウも多数備えているため、今回のテルモのケースのようなFPGAターゲットの制御回路設計は「CyberWorkBench」が最も得意とするところであったと言えるだろう。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2014.08.27
)