【51DAC】Ansysのダイナミック・パワー解析ツール「RedHawk」はチップからパッケージまで対応領域を拡大

2014年6月1日-5日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催された第51回Design Automation Conferenceの展示会レポート。

Ansysのブースでは傘下のApache Designの各種ツールを展示。連日ブース内スイートで自社顧客のユーザー事例を紹介していた。

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主力のダイナミック・パワー解析ツール「RedHawk」は、DACに合わせてバージョンアップされ「RedHawk 2014」がリリースされたばかり。同バージョンでは複数コンピュータによる分散処理がサポートされ、メモリ使用量を平均3分の1に抑えられるようになり、シミュレーションのキャパシティが1億インスタンス以上に拡大された。

また同最新バージョンでは先端のFinFETベースのデザインにも対応しており、DAC会期中にIntelの14nm Tri-Gateプロセスのリファレンス・フローに「RedHawk」をはじめ「Totem」、「PathFinder」が認証された事がアナウンスされていた。Intelの先端フローでEM,ESD,NOISEと3種類のツールが全て認証されているのはApacheだけだという。ちなみにApacheの「RedHawk」はIntelの他にTSMC,Samsung,Global Foundries,TowerJazzなど大手ファウンドリの先端プロセスにて一通り認証されている。

新製品としては今回のDACで「RedHawk CPA」という製品を新たに披露。CPAとはChip-Package Analysisの略で、同製品は文字通りチップ内に限らずパッケージも含めた形で電圧降下をチェックする事が可能だという。

尚、今年Ansysブースで発表された事例は、Ciena、Samsung、Synapse、Applied Micro、NXP、STMicroelectronics、LSIなど有名どころがずらり。STMicroelectronicsの事例は「RedHawk」を利用してダイサイズを縮小に成功したというものだった。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2014.06.19 )