SynopsysがVirtex-7ベースの新型エミュレーション・システム「ZeBu Server-3」を発表

2014年2月26日、Synopsysは、新製品となるエミュレーション・システム「ZeBu Server-3」を発表した。


Synopsysが発表した「ZeBu Server-3」は、エミュレーション・システム「ZeBu」シリーズの最高峰に位置する製品で、既存製品の初代「ZeBu Server」がVirtex-5ベースだったのに対して、「ZeBu Server-3」ではXilinxの最新の28nm FPGA Virtex-7 XC7V2000Tをベースとしている。

Synopsysに2012年に買収された旧EVE社が開発した「ZeBu」シリーズ製品は、FPGAのテクノロジの進化と共に新製品の投入を進めてきており、今回の「ZeBu Server-3」はEVE社の時代から数えて8世代目の製品となる。ちなみに6世代目のVirtex-5ベースの初代「ZeBu Server」が投入されたのが2009年、7世代目のVirtex-6ベースの「ZeBu-Blade2」が投入されたのが2011年である。

zebu-server-01.jpg
zebu-server-02.jpg
※画像はZeBu Server-3、Synopsys Webサイト掲載。50cm2、70kgとその小ささも特徴の一つ。



今回発表された「ZeBu Server-3」は、FPGAの進化の恩恵を受け実行スピードは初代「ZeBu Server」よりも最大4倍の高速化を実現したという事で、ビリオン・クラスの大規模デザインを数Mhzで実行できる計算(デザイン・クロック)。デザイン容量は「ZeBu Server-3」1台で3億ASICゲートで、10台接続することで最大30億ASICゲートのデザインに対応できるという。

今回の新製品においては、特に大きな機能面での強化は施されていないようだが、既存の使い勝手のままでソフトとハードを入れ替えれば4倍高速で容量3倍というのは、ユーザーにとって大きな魅力と映るだろう。

Synopsysの発表には既に「ZeBu Server-3」を利用している顧客として、AMDとFreescaleがコメントを寄せている。また別の発表ではImagination Technologyも「ZeBu Server-3」を導入したとあり、同社は最新のGPU「PowerVR Series 6」の開発で「ZeBu Server-3」を使用。3.5MHzを超える実行速度を実現したとしている。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2014.02.27 )