チップレベル アサーション・ベース検証の問題解決のアプローチ 日本イヴ株式会社
■チップレベル アサーション・ベース検証における大きな問題
アサーション・ベース検証(ABV)は、デバッグ効率化の有力な手法として、多くの設計検証チームに採用されています。
ABVの実行プラットフォームとしては、HDLシミュレータだけではなく、プロパティベース・フォーマル検証ツール(FVツール)も効果的であると広く認知されています。
ここで、HDLシミュレータの性能は、デザイン規模に対して指数関数的に低下していくことがよく知られています。現代の最先端のチップレベルのような、数千万ゲート・クラスのデザインをHDLシミュレータで実行することは、現実的ではありません。
一方、FVツールについても、デザイン規模が小さい時にはアサーションの多くが reachable (解に到達可能)ですが、規模が大きくなるにつれて論理段数が著しく深くなり、アサーションのほとんどが unreachable になってしまいます。
つまり、HDLシミュレータもFVツールも、チップレベルでのABV実行プラットフォームの主力として用いるのは困難といえます。
■論理エミュレータを用いたアサーション・ベース検証
この問題の解決に、論理エミュレータを用いたABVが注目を集めています。論理エミュレータを用いれば、デザイン規模に関わらず、非常に高い性能を得ることができます。何といっても、この点が大きな魅力です。
論理エミュレータを用いる場合、アサーションはコンパイラによって論理合成された後、デザインと一緒にプロセッサやFPGAにマッピングされて、動作します。よって、論理エミュレータでサポートされるアサーション記述は論理合成可能なものに限定されますが、実用上は、ほとんどのアサーション記述がカバーされると考えて差し支えありません。
■論理エミュレータを用いる場合の注意点
ただし、ABVに論理エミュレータを適用する際には、まず、アサーション実装によるエミュレータ・リソースの消費を勘案しなければなりません。特に、時間ウィンドウが広いアサーションでは、多くのリソースが必要になることもあります。こうしたときに適切に対処できるよう、論理エミュレーションで実行するアサーションをどれにするか、あらかじめ検討しておくことが肝要です。
さらに、アサーションやカバレッジに関する詳細データを大量に取得すると、実行性能への影響が顕著になってきます。より効果的な運用を実現するためには、実効性能と解析性のバランスの最適化が重要になります。
■ユーザ事例: 論理エミュレータでのアサーション・デバッグ!
コニカミノルタテクノロジーセンター様では、昨年EVEの高速論理エミュレータZeBuのSVAの評価を実施し、アサーションが発火した場合のみレポートする動作モードで、非常に有効な運用が達成できたことを発表されました。この発表に関して、詳しくは、https://www.eda-express.com/verify2011/seminar.html をご参照ください。
今回、コニカミノルタテクノロジーセンター様は、ZeBuを用いたABV評価をさらに発展させ、カバレッジ採取時の実効性能、および発火時のデバッグ手法に関する検討を行われました。
この詳細は、2012年6月15日(金)に新横浜で開催される「0-Bug Conference 2012 Summer」にて、コニカミノルタテクノロジーセンター様からご講演いただきます。アサーション・ベース検証にご興味のある方、必見です!
セミナー情報
「0-Bug Conference 2012 Summer」の詳細および参加ご登録はこちらのWebサイトへ!
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