Synopsysが低消費電力コアARC EM4をベースとした自動車機能安全向けプロセッサを発表
2013年10月17日、Synopsysは、機能安全規格に準拠した車載システム向けのプロセッサ・コアの新製品「DesignWare ARC EM SEP (Safety Enhancement Package)」を発表した。
新製品「ARC EM SEP」は、低消費電力32ビット・コアARC EM4をベースとしたプロセッサ・コアで、自動車に搭載されるエレクトロニクス・システムの機能安全規格「ISO 26262」の認証指標「ASIL D」を満たす安全特性を備えている。
またプロセッサ・コアが「ISO 26262」に対応するだけでなく「ARC EM SEP」のコンパイラも「ISO 26262」に対応しており、ソフトウェア開発者は同コンパイラを用いることで「ISO 26262」に準拠した「ASIL D認証」をクリアするソフトウェア・コードを短期間で開発できるようになる。
また「ARC EM SEP」には、クローズリー・カップルド・メモリー、1ビットのエラー訂正/2ビットのエラー検出ができるECC機能、2ビットのエラー検出ができるパリティ保護機能といった安全性確保のための機能を備えているほか、Synopsysの提供するバーチャル・プロトタイピング・ツール「Virtualizer」でサポートされており、同社のシミュレータ「Saber」、Mathwork社の「Simulink」、Vector社の「CANoe」、といったツールと連携したバーチャルHILSの実行と故障注入テストが可能だという。
※HILS:hardware-in-the-loop simulation
尚、機能安全規格「ISO 26262」の認証にあたっては、各種ドキュメントの整備も求められるため、Synopsysは「ARC EM SEP」に関するセーフティ・マニュアル、セーフティ・ガイドなどの安全性に関する付属書類をユーザーに提供し、ユーザーの認証クリアを包括的に支援するという。
新製品「ARC EM SEP」および付属ツールは、10月末より一般提供を開始する予定。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2013.10.21
)