NECが通信システム用LSIの開発でReal Intentのフォーマル検証ツールを標準採用
2013年11月11日、フォーマル検証技術をベースとした検証ツールを手掛ける米Real Intent社は、同社のフォーマル検証ツール「Ascent Implied Intent Verification (IIV)」をNECが採用した事を発表した。
発表によると今回Real Intentの「Ascent IIV」を採用したのは、NECのテレコムキャリアビジネスユニット、ネットワークプラットフォーム開発本部で、通信システム用LSIの開発フローにおいて「Ascent IIV」を導入。NECは「Ascent IIV」を用いてRTLの品質改善を行う予定で、今回採用の決め手として、テストベンチ不要で設計早期に自動でRTLを機能検証できる点、そして、「Ascent IIV」の優れた階層レポート機能を挙げている。
「Ascent IIV」は、フォーマル検証技術による機能検証の自動化を実現するツールで、コンスタント・ネット、ブロック・イネーブル、レンジ・バイオレーションなどのチェックをテストベンチ無しにRTLだけで自動的に行い、エラーを検出した際にはその根本原因をピンポイントでGUI表示する事が可能。(※Synopsysのデバッグ環境Verdiをシームレスに統合可能)
スマート・レポーティング機能と呼ぶ独自の階層レポート機能によって、高精度な解析結果を少ないレポート量で出力できる点も「Ascent IIV」の特徴の一つとなっており、今回の発表にコメントを寄せたNECの池内氏も他社ツールと比較してレポートの量を大幅に削減できたとしている。
※画像はReal Intent提供のデータ(セミナーVerify2013講演資料※ダウンロード可能)
尚、Real Intentは同じ「Ascent」シリーズ製品として、自動フォーマル検証前に使うLintツール「Ascent Lint」、自動フォーマル検証後に使うX伝搬検証ツール「Ascent XV」も提供しているほか、RTLサインオフ向けのSDC/CDC検証ツール「Meridian Constraints」、「Meridian CDC」を提供している。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2013.11.14
)