Cadenceが新型エミュレータ「Palladium XP II」を発表?検証速度は最大1.5倍、キャパシティは最大23億ゲート

2013年9月10日、Cadenceは、同社の検証分野の旗艦製品であるアクセラレータ/エミュレータ「Palladium」の最新製品のリリースを発表した。 


今回Cadenceが発表したのは、既存の「Palladium XP」の後継となる「Palladium XP II Verification Computing Platform」で、Cadenceによるとそのデザイン容量は最大23億ゲート、検証速度は既存製品よりも最大50%向上したという事で最大6MHz程度の実行速度となる計算。キャパシティ、パフォーマンス共に競合製品であるMentor Graphicsの「Veloce2」を凌ぐ。その詳細は明らかにされていないが、これまで45nmプロセスで製造されていた独自の専用プロセッサが刷新された可能性が高い。

また「Palladium XP II」では、製品仕様としての性能面の向上以外にシミュレーション/アクセラレーション用に、モバイルおよびコンシューマ向けの8件の新プロトコルがサポートされたほか、SoCペリフェラル・デバイスのソフトウェア・ドライバの検証を行うための合成可能なモデル「embedded test bench」も用意された。

Cadenceはエミュレータ「Palladium」を中心に、シミュレータ「Insicive」、プロトタイピング・ボード「RPP」、バーチャル・プロトタイピング「VSP」と4種類の検証ソリューションを連携させた「System Development Suite」を展開しているが、今回の「Palladium XP II」のリリースと合わせて「Palladium XP」シリーズと「VSP(Virtual System Platform)」の連携を強化。特許出願中の独自技術「ハイブリッド・テクノロジ」により、組込OSの検証速度を最大60倍、ハード/ソフト協調検証の速度を10倍向上できるという。

発表には既に「Palladium XP II」を利用しているNVIDIA、Broadcom、Zenvergeの3社がコメントを寄せている。


Cadence_palladium.jpg
※画像はCadence米国本社の発表資料抜粋

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2013.09.11 )