Mentorが業界初となるパワー・フォーマットUPFベースのローパワー検証フローを発表
2013年4月5日、Mentor Graphicsは、パワー記述フォーマットの標準規格IEEE 1801 UPFをベースとしたローパワー検証フローを発表した。
IEEE 1801 UPFは、消費電力に関する設計意図を記述するためのフォーマットで、ローパワー設計の効率化とツールの互換性の促進を狙うもの。今回Mentor Graphicsは、同社の機能検証プラットフォーム「Questa」とエミュレータ「Veloce」の2つの製品により、IPレベルからシステム・レベルに対応する包括的なローパワー検証フローを確立した。
具体的には、「Questa」の最新バージョンにてUPFベースのローパワー設計関連の機能を大幅に拡充。UPFシミュレーション性能を最大6倍にまで引き上げたほか、新たにローパワー設計向けの視覚化機能をGUIに追加、UPFによる影響を検証・デバッグ可能なローパワーの自動チェック機能も備えた。更にローパワーのカバレッジ指標を自動化する機能、ローパワー設計用テストプラン生成機能も追加し、ローパワー設計のカバレッジ収束の効率化が図られている。
また、Questaファミリ製品のCDC検証ツール「Questa CDC」においてもパワー記述フォーマットUPF向けの機能拡張が図られており、「Questa CDC」の最新バージョンでは、UPFを読み込み、複数のクロックドメインにわたるパスに挿入された、ローパワー設計意図のロジックに起因するエラーを自動的に検出することが出来るという。
尚、エミュレータ「Veloce」に関しては、Mentor曰くUPFを最も幅広くサポートしており、UPFでローパワー設計意図が記述されたロジックを実装し、エミュレーションによってローパワーの機能を動的にチェックする事が可能。Veloceでは、消費電力管理がクリティカルな動作シナリオをアプリケーションレベルのソフトウェアとして実行し、電力制御のステートマシンを検証することが出来るという。
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2013.04.10
)