Synopsysの回路シミュレータ「FineSim」、メモリ設計向けに性能と容量強化

2013年2月7日、Synopsysは、同社の回路シミュレータ「FineSim」のバージョンアップを発表した。


回路シミュレータ「FineSim」は、Synopsysが昨年のMagma買収によって獲得した製品で、元はMagmaが買収したACAD社が開発した製品。複数CPUの分散処理によるフルSPICE精度の高速シミュレーションをうりにしており、単一のシミュレーション・エンジンで高速SPICEと高精度SPICEの切り替えシミュレーションが可能。その高速性と利便性から国内外で採用実績が多数あり、Magmaでは「FineSim」が売上の一つの大きな柱となっていた。

発表によると、今回メモリ設計向けにRC寄生のリダクションや複雑なオンチップ・パワーネットワーク・シミュレーションを実現する新たなアルゴリズムを「FineSim」に実装。これによりメモリ設計におけるポスト・レイアウト・シミュレーションの速度が既存バージョンよりも2倍高速となり、デザイン容量も倍増した。また、最新の「FineSim」には、Synopsysのサインオフ・シミュレータ「HSPICE」のモデリング・エンジンが組み込まれ、「FineSim」によるシミュレーション結果が「HSPICE」の結果と一致する事が保証されたという。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2013.02.12 )