S2CがVirtex-7 4個搭載のプロトタイピング・ボード「Quad TAI Logic Module」を発売

2013年1月21日、FPGAベースのプロトタイピング・ソリューションを手掛ける米S2Cは、新製品のプロトタイピング・ボード「Quad TAI Logic Module」の発売を発表した。


「Quad TAI Logic Module」は、Xilinxの最新の28nm FPGA「Virtex-7 2000T」を搭載するプロトタイピング・ボードで、同社の「V7 TAI Logic Module」シリーズの3番目の製品。既存の製品が「Virtex-7 2000T」を1個(Single V7 TAI Logic Module)または2個(Dual V7 TAI Logic Module)搭載していたのに対し、今回発売された「Quad TAI Logic Module」はその名の通り4個「Virtex-7 2000T」を搭載し、最大8000万ASICゲートのデザインに対応する事が可能。既に受注を開始している。

S2Cによると、「Quad TAI Logic Module」には、専用LVDSピンを用いた多重接続回路、専用リファレンス・クロックとリセット回路が用意されており、LVDSを用いたピン多重化により任意の二つのFPGA間を最大800MHz以上、10,000以上で相互接続する事が可能。大規模なFPGAの容量とこれらFPGA間接続技術を用いる事で殆ど全てのデザインを「Quad TAI Logic Module」に分割実装する事が可能で、S2Cは例えば複数ARM Cortex-A15コアと複数GPUコアが搭載されたSoCなども実装できるとする。

「Quad TAI Logic Module」へのデザインの分割実装には、S2Cの提供する「TAI Player Proソフトウェア」の他にサード・パーティー製のツールを利用することが可能。Xilinxの提供する専用設計ツール「Vivado」や「ChipScope Pro」もあわせて利用することができる。

S2Cは、昨年5月に業界で最も早くXilinxの「Virtex-7 2000T」を用いたプロトタイピング・ボードをリリースし、プロトタイピング市場を先行。今回発売した「Virtex-7 2000T」を4個搭載するタイプのプロトタイピング・ボードは、競合のSynopsysも「HAPS-70」シリーズでラインナップしているが、S2Cは更にその先を行く「Virtex-7 2000T」9個搭載、1.8億ASICゲート対応の「Nine TAI Logic Module」を開発中で、2013年第2四半期に発売する予定としている。

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※画像はS2C社発表資料およびWeb掲載のデータ。

S2C

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2013.01.22 )