MentorがPCB設計ツール「PADS」を大幅機能強化-DFM解析と高速/対話型配線に対応

2012年3月7日、Mentor Graphicsは、PCB設計ツール「PADS」のバージョンアップを発表した。


発表によると「PADS」の最新バージョン9.4では大きく2つの機能強化が実施された。
一つは配線機能の強化で、新機能「ネット関連付け機能」によりネットをグループ化し制約を割り当てることにより、ハイスピード制約を満たす配線を対話型の作業で短時間で自動処理できるようになった。

もう一つはDFM解析機能の追加で、「PADS Layout」上で設計したPCBデザイン・データのDFMルール・チェックが可能となった。このDFM解析機能は同社のPCB製造ソリューションである「Valor」製品の技術をベースとしており、100を超える製造/実装ルールをPCBの設計段階でチェックすることで、製造上の問題を早い段階で解決できる。

尚、「PADS Layout」でDFM解析を終えた設計データは「ODB++」フォーマットで製造側へ渡せるため、PCBの設計から製造までデータの完全性を保つことが可能。「ODB++」はMentorが買収したValor社が開発した「Gerber」フォーマットに取って代わるPCBデータ・フォーマットで、そのまま製造側に渡せるフォーマットとして海外では利用が進んでいる。つい先日、この「ODB++」の利用普及団体「ODB++ Solutions Allianc」が設立され、以前から「ODB++」をサポートしているCadenceや日本のPCB設計ツール大手の図研も設立メンバーとして参画している。これに伴い図研はMentorと「ODB++」フォーマットのサポートについて契約を締結したという。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2012.03.09 )