Panasonicが民生品向けSoC開発でCadenceのエミュレーター「Palladium XP」を導入

2011年12月14日、Cadenceは、同社のエミュレーション・システム「Palladium XP」をパナソニックが導入した事を発表した。
発表によるとパナソニックは、次世代のデジタル・コンシューマ製品向けのSoC設計を加速するためにCadenceの「Palladium XP」を導入。自社の検証環境を「Palladium XP」に接続したシステムレベルのハードウェア・ソフトウェア協調検証を行う事によりSoCの開発期間を短縮した。
パナソニック デジタルコア開発センター 所長 藤川 悟 氏のコメント:
「デジタル・コンシューマ製品がますます複雑になるにつれ、それら製品の中枢となるSoCの検証も複雑になっています。Palladium XPシステムにより、高度に複雑なSoC設計をシステムレベルで検証できました。また、チップレベルでの検証は加速され、予測性が向上、その結果製品の市場投入期間に対する要求に応えることができました。」
Cadenceの「Palladium XP」は、エミュレーションおよびアクセラレーション機能を備える検証プラットフォームで、最上位製品の「Palladium XP GXL」は、最大で20億ゲート規模のデザインに対応。512ユーザまで同時利用可能で実行速度は最大4MHzを実現する。
これまでの「Palladium」は、エミュレーション/アクセラレーション・システムとして独立した単独製品というイメージが強かったが、システムレベルのバーチャル・プロトタイピング環境「Virtual System Platform」、論理シミュレーター「Incisive」、FPGAベースプロトタイピング環境「Rapid Prototyping Platoform」と繋がり、現在は「System Development Suite」の一部として各ツールとの連携利用が可能となっている。用途としてはトランザクション・ベースのアクセラレーションでのニーズが高く、「AVIP」と呼ぶアクセラレーション用の検証IPも用意されている。
尚、「Palladium」は、かの世界最速スパコン「京」のインター・コネクト・チップのシステム検証にも利用された実績がある。
※「Palladium XP」の詳細はこちら

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.12.15 )