TSMCが28nmデザイン向けのリファレンス・フローの整備を完了-DACで詳細発表

2011年5月26日、TSMCは28nmデザイン向けの新たな2つのリファレンス・フローの整備を完了した事を発表した。
2つのリファレンス・フローとは、すなわちデジタル設計向けの「リファレンス・フロー 12.0」とアナログ/ミックスド・シグナル設計向けの「AMSリファレンス・フロー 2.0」で、今回TSMC最新の28nmプロセス向けに両リファレンス・フローがエンハンスされた。
デジタル設計向けの「リファレンス・フロー 12.0」の改良点は大きく下記3点が発表されており、20nm設計向けに開発中の「20nmトランスペアレント ダブル パターニング設計ソリューション」を初公開すると付け加えられている。
・シリコン インターポーザおよびSi貫通電極(TSV)技術を使用した2.5D/3D-IC
・28nmモデルベースシミュレーションにおけるDFM検証の高速化
・TSMCプロセスに即したPPA(Power、Performance および Area)モデルのESL対応
尚、「リファレンス・フロー 12.0」においては、Cadence、Mentor、Synopsys、の各種ツールをはじめ、TSMCのパートナーである複数のEDAベンダのツールが認定ツールとして採用されており、今後各社から一斉に「リファレンス・フロー 12.0で採用」のニューズが流れる事と思われる。
ちなみに、今回の第48回DACでTSMCブースにパートナーとして参加するIPベンダ/EDAベンダは20社以上となる。
アナログ/ミックスド・シグナル設計向けの「AMSリファレンス・フロー 2.0」では、28nm向けのカスタム設計において、高度なDFMおよびRDR(Restricted Design Rules)技術が容易に利用できるよう対応が強化されたほか、パートナーとのコラボレーション・ベースの新たな検証/解析手法が開発された。これら詳細も第48回DACで発表される予定。
また、今回のリファレンス・フローのエンハンスと合わせて、「RFリファレンス デザインキット」もバージョンアップされ、3.0版がリリースされた。同リファレンス・キットは、RF設計者向けに提供されるもので、シリコン検証済みの60GHzミリ波デザインキットや電磁界シミュレーションを用いた新たなインダクタ設計手法がパッケージされているという。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.05.30 )