枯れた組込みシステムを延命-ASIPSがモトローラMC68000互換のプロセッサIPを発表

2011年6月20日、プロセッサ開発システム「ASIP Meister」を手掛ける国内のEDAベンチャーエイシップ・ソリューションズは、新製品となるプロセッサIPコア「ASIP68000S」を発表した。
ASIPSによると「ASIP68000S」は、70年代後半に発売され96年にディスコンとなったモトローラのマイクロ・プロセッサ「MC68000」の命令セットが実行可能な16ビット/32ビットのマイクロ・プロセッサIPで、コンパイラ、デバッガなどのソフトウエア開発環境と同プロセッサIPが搭載されたFPGA(オプション)のパッケージ・キットとして提供される。
「ASIP68000S」は、MC68000の代替としての利用を狙った製品で市販のFPGAに容易に搭載可能。既存のソフトをそのまま実行でき、アセンブラおよびC言語で開発できる。また、「ASIP68000S」にはキャッシュメモリが搭載されており、オリジナルのMC68000よりも高速な処理を実現可能。動作周波数は約50Mhz、キャッシュメモリ込みで2KB程度で、AlteraのFPGAに実装した場合のの回路規模は約3000ロジック・エレメント相当、メモリ・インターフェースは、フラッシュROMおよびSDRAMをサポートしている。
「ASIP68000S」は、現在のところその搭載対象としてAltera製FPGAをサポートしており、今後Xilinx製のFPGAにも対応する予定。製品は価格は、FPGA評価利用、FPGA製品化利用、ASIC化利用の3段階に分かれており、最も安価なFPGA評価利用の価格はFPGA別で40万円から。また、「ASIP68000S」を搭載したFPGAを製品として販売するほか、ASIC化ニーズに対しては別途マイグレーション・キットも提供される。
ASIPSでは、古いプロセッサを用いた組込みシステムの延命にニーズを見出し、プロセッサや周辺部品のディスコン・リスクを回避可能な互換プロセッサIPのラインナップを今後も増やしていく計画だという。
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※画像は「ASIP68000S」のブロック図(ASIPS社Webより抜粋)

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2011.06.21 )