シノプシス、ナノメータ・デザインに向けたオープン・ライブラリ・モデルを発表

2005年11月7日、シノプシスは、ナノメータ・デザインに特有の事象を高精度かつ効率的にモデリングできる業界初の統合されたカレント・ソース・モデルCCS(Composite Current Source)モデルの提供を開始したと発表した。

プレスリリース:http://www.synopsys.co.jp/pressrelease/2005/20051107.html

今回発表された、シノプシスのCCS(Composite Current Source)モデルは、タイミング、ノイズ、パワーを包括的に解析できる業界初の単一のオープン・ライブラリ・モデルで、設計者は、業界標準のサインオフ・ツールであるシノプシスのPrimeTimeを主体としたCCSモデリング・テクノロジによって、ナノメータ・デザインで必要とされるノイズやパワーのサインオフも可能となるという。

また、同日、Galaxyデザイン・プラットフォームによるCCS(Composite Current Source)モデルのサポートも合わせて発表され、CCSモデルをGalaxyデザイン・プラットフォーム上で活用することが可能となった。

同日のプレスリリース:http://www.synopsys.co.jp/pressrelease/2005/20051107-2.html

これにより、デザインの解析と最適化性能が向上し、ナノメータ・デザインに特有の事象に設計行程途上でコンカレントに対処し、設計上の過剰なマージンを削減し、設計のやり直しの回数を最小限に抑えられるようになるという。

関係各社のコメントは以下の通り。

■ARM社 フィジカルIPマーケティング担当副社長 Neal Carney氏のコメント:
「ARMとシノプシスとの協業は、オープン・スタンダードに基づいたデザイン・ソリューションを発展させることにフォーカスしてきました。CCSは、最先端プロセスに対する業界の要求と新しい設計スタイルに対応した革新的な統合モデルです。ARMのフィジカルIP向けに現在提供されている最先端のLibertyモデルに加えて、2005年の第4四半期には90ナノメータ・スタンダード・セルライブラリAdvantageおよびMetro向けのCCSタイミング・モデルのご提供を開始する予定です。」

■株式会社 半導体理工学研究センター 設計技術開発部 メソドロジ゙開発室 室長 西口信行氏のコメント:
「CCSモデルをGalaxyデザイン・プラットフォーム上で活用することにより、弊社の顧客企業の設計者は、電圧変化やIRドロップに起因するタイミング遅延の解析機能を駆使し、過剰な設計マージンを削減し設計生産性を向上させることができます。シノプシス社との継続的な協力関係を通じて、我々はSTARCAD-21シノプシス・フローのバージョン2.5にCCSモデリング・テクノロジの組み込みを完了しました。」

■シノプシス インプリメンテーション・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Antun Domic氏のコメント:
「15年以上にわたり、シノプシスはライブラリ・モデリング・テクノロジをはじめ、オープン・ソース・スタンダードのプログラムやイニシアティブにより業界をリードしてきました。CCSモデリング・テクノロジの最新の革新的技術は、ナノメータ・デザインにおける非常に大きなモデリング課題を解決する包括的なソリューションを提供します。ARM社のような業界を代表するIPプロバイダとの協業により、両社の共通のお客様は業界の最先端設計ツールとライブラリを利用することが可能となります。」

■シノプシス 上級副社長 兼 インプリメンテーション・グループ・ジェネラルマネージャー Antun Domic氏のコメント:
「90ナノメータ以降の設計を効率的に実現するには、精度の高いモデリング・テクノロジが必要であると同時に、そのようなモデルが提供する機能をフル活用するためのワールド・クラスのデザイン・プラットフォームが重要となります。CCSモデリング・テクノロジとGalaxyデザイン・プラットフォームの組み合わせにより、シノプシスは設計生産性の飛躍的向上に貢献し、業界をリードしてまいります。」
(プレスリリース要約)

※シノプシス製品に関する詳細:
日本シノプシス株式会社 http://www.synopsys.co.jp

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.11.08 )