使い出したら手放せない、サミットのSystemCデバッガ「Vista」
2005年12月15日、秋葉原コンベンションホールにて、サミット・デザイン・ジャパン主催の「SystemCモデリングセミナー」が開催された。
イベント概要:http://www.summit-japan.com/SystemCmodeling2005.html
同イベントに参加した企業は、サミット・デザインの他に、バスIPプロバイダのソニックス、動作合成ツールベンダのフォルテの2社。
SystemCからのインプリメントにフォーカスした形で各社の製品紹介とデモを交えた設計手法の紹介が行われ、最後に?リコーの塚本氏(電子デバイスカンパニー、画像LSI開発センター、設計技術室)より、サミット・デザインのVista、フォルテのCynthesizerを用いた設計フローの活用事例が紹介された。
サミット・デザインの「Visata」は、数少ないSystemCデバッグ機能を持つツールの一つで、SystemCによる設計の障壁の一つとなっているSystemCのデバッグ問題を解決してくれるSystemCの統合開発環境。
Vistaの特徴は何よりもそのデバッグ機能で、C++としてのデバッグ機能に加え、sc_trace()を挿入する事無く波形表示を行なう機能、、並列動作プロセスを簡単に確認できる機能、柔軟なブレークポイントの設定機能など、SystemCユーザにとって嬉しい機能が豊富に搭載されている。
また、同社のSystemCグラフィカル・モデリング環境「SystemDesigner」、SystemC性能解析ツール「SystemArchtect」とシームレスにリンクできるほか、フォルテの動作合成ツール「Cynthesizer」とのインタフェースも備え、SystemCのモデリング、性能解析、シミュレーション、デバッグという一連の設計フローをトータル的にサポートし、動作合成を用いたインプリメントフローへと繋げる事ができる。
Vistaのユーザという立場で発表した?リコーの塚本氏は、「Vistaは、ツールのトレーニングが不要、半日で立ち上がり、社内の設計者は手放す事が出来ない状況。」と述べ、SystemCを用いた設計フローにおける課題の一つであった、「SystemCのデバッグ」がVistaの登場によって解消できたと語った。
また、塚本氏は、フォルテのCynthesizerについても触れ、この数年の機能改善により、合成対象の回路規模や出力されるRTLの品質がかなり向上したとし、「動作合成経験者がCのアルゴリズムを単純に合成するだけであれば、1日で論理合成結果を確認できるところまでもっていける。」と述べ、動作合成を用いたSystemC設計フローの残る課題として、以下の5項目を挙げた。
1.SystemCのリント機能
2.入力コードと合成結果の等価性検証
3.SystemCシミュレーション結果のコード・カバレッジの計測
4.動作合成におけるTLM合成機能のサポート
5.動作合成ツールの価格(高い)
※製品に関する詳細は、各社にお問い合わせ下さい。
■サミット・デザイン・ジャパン http://www.sd.com/japan/
■ソニックス http://www.innotech.co.jp/(イノテック株式会社)
■フォルテ・デザイン・システムズ http://www.forteds.com/japan
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.12.15
)