アクテル、世界初のミックスド・シグナルFPGA「Fusion」を発表

2005年12月12日、アクテルは、世界初となるミックスド・シグナルFPGAファミリ「Fusion」プログラマブル・システム・チップ(PSC)を発表した。

プレスリリース:http://www.actel.com/company/press/2005pr/Fusion.html(英文)

Fusionデバイスは、アナログ・ペリフェラル、フラッシュメモリ、FPGAファブリックをワンチップのモノリシックPSCに業界で初めて集積したデバイスで、アクテルのフラッシュFPGAテクノロジー独自の特長である、電源投入後即動作(LAPU)、ワンチップ、ファームエラー耐性、低いトータル・システム・コストという長所が充分に生かされている。

このFusionによって、これまで高コストでボード面積を多くとるディスクリート・アナログ・コンポーネントやミックスド・シグナルASICを使用するしかなかった、電源管理、スマートバッテリ充電、クロック生成・管理、モーターコントロールなどのアプリケーションをプログラマブル・ロジックの利点を活用して容易に設計することが出来るようになる。

また、Fusionは、設計者は様々な機能をワンチップのデバイスに集積するだけでなく、フィールドや生産サイクルでの柔軟なアップグレードが可能になるため、システム開発における新しい可能性が生まれ、高コストで開発期間が長いミックスド・シグナルASICの理想的な代替製品となる。

さらに、アクテルのARM7および8051ベースのソフトMCUコアと組み合わせて使用すれば、アクテルのFusionテクノロジーは究極のPSCプラットフォームになるという。

また、アクテルは、このFusionデバイスをサポートし、設計者の生産性を最大に高める包括的な設計環境Libero v7.0と低コストなFusionスターター・キットを合わせて発表した。

設計環境Libero v7.0には、IPをFusionファブリックに生成、コンフィギュア、インターコネクト、マップするために新しい革新的なツールが組み合わせられており、包括的なハードウェア/ソフトウェア協調開発ツールも提供される。

具体的には、マグマのフィジカル合成ツールPALACE、メンターのシミュレータModelSim、シンプリシティの論理合成Synplicity AE/Synplify Proが各サードパーティツールベンダーの協力によって提供されている。

Fusionスターター・キットには、統合設計環境Libero v7.0、アクテルのFlash Pro3プログラマ、チュートリアル文書の他に、システム・ゲート数60万のFusion PSC がFG256パッケージで付属した評価基板が含まれ、付属する外部電圧の駆動・制御用MOSFET、パルス幅変調(PWM)効果を示すための高輝度マルチカラーLEDによって、オシロスコープなどの外部モニタ機器を使わずに、温度センシング・アプリケーションに使うことができるという。

尚、アクテルのFusion PSCファミリには、システム・ゲート数、組み込みフラッシュメモリ、アナログ・チャネルが異なる4種類のデバイスが用意されており、AFS600 Fusion PSCおよびスターター・キットは近日出荷予定で、リファレンス設計、ソフトウェア・ツールは現在出荷中。

製品の価格ほか、詳細な情報についてはアクテルの正規代理店にお問い合わせ下さい。

※アクテル・ジャパン http://www.actel.com/intl/japan/

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2005.12.13 )