フォルテの動作合成ツールがTLM合成と消費電力最適化機能をサポート
2006年1月23日、動作合成ツールベンダの米フォルテ・デザイン・システムは、同社の動作合成ツール「Cynthesizer」が最新のV3.0にて、SystemCトランザクションレベルモデル(TLM)合成と消費電力最適化機能をサポートした事を発表した。
プレスリリース:http://www.forteds.com/japan/
フォルテがサポートを発表したTLM合成は、これまで検証目的のみで使用されていたSystemCのTLM記述を実装フローに取り込むもので、高速シミュレーションで使用するTLM記述から自動的にRTLを合成することができる。
TLM合成にあたり、デザインのインタフェース部については、サイクル精度のピンレベルの詳細記述を追加する形となるが、この工程はCynthesizerによって自動的に高速処理されるため、設計者はデザインからインタフェース部を分離した形で、デザインを書き換えることなくI/Oインタフェースのトレードオフを行う事が可能となる。
また、FIFO、メモリ・インタフェース、ストリーミング・インタフェース用には、合成可能なIPがあらかじめ用意され、それをターゲットに簡単にRTL合成を実行できるほか、最近OSCIが拡張した、高位コミュニケーション記述を実現するOSCI TLMライブラリもサポートしているという。
もう一つの消費電力最適化機能は、動作していないブロックへのクロックを停止することによって消費電力を削減する「ゲーテッドクロック」などの技術を動作合成の過程で利用し消費電力を最適化するもので、より設計の上流工程で消費電力を考慮することで、目標性能を満たすRTLを自動合成できるようになる。
その他、新バージョンV3.0では、サミット・デザイン社の「Vista」とのインタフェースがサポートされ、Vistaで作成したSystemCモデルをCynthesizerへ直接渡す事ができるようになった他、既存の各機能に対しても合成品質を向上する様々な機能強化が図られているという。
尚、発表されたTLM合成および消費電力最適化機能は、Cynthesizerのオプション機能となり、別途ライセンス費用が発生する。
※Cynthesizeおよび各オプション機能に関する詳細は、フォルテ社までお問い合わせ下さい。
※フォルテ・デザイン・システムズ株式会社
http://www.forteds.com/japan/
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.01.23
)