米Mirabilis Design、システム設計と検証を高速化する、「プロセッサ生成ツールキット」を発表
2006年1月18日、システム設計のモデリング及び検証環境を提供する米Mirabilis Design社は、検証用のプロセッサ・モデルを自動生成できる「Processor Generation Toolkit」を発表した。
「Processor Generation Toolkit」は、同社のシステム設計および検証環境「VisualSim」のライブラリとして提供されるもので、これを用いる事で、汎用のマイクロ・プロセッサ、マイクロ・コントローラ、DSP、カスタム・プロセッサなどのサイクル・アキュレートなシミュレーションモデルを数時間で自動生成する事ができるという。
ライブラリには、プロセッサ・モデルに加え、インストラクション・セット、パイプライン、キャッシュ、メモリ、バス・コントローラなどのペリフェラルも含まれ、ユーザは、これらのライブラリを用いて、ペリフェラルも含めた形で、アプリケーションのプラットフォーム・モデルを生成し、プロセッサのサイズ決定やペリフェラルの選択など、システムレベルのアーキテクチャの探求を実現できる。
シミュレーション・モデルの生成は、ターゲット・プロセッサの情報を入力することで自動的に行われ、マルチ・プロセッサもサポートするほか付属されるtraffic generatorや解析ツールによってパイプラインやインストラクションの最適化も可能。豊富なライブラリをベースとした、同ツールキットを用いる事で、これまで半年以上かけてコーディングしていた数万行にも及ぶプロセッサのモデリングを僅か数時間で自動生成できうようになる。
「Processor Generation Toolkit」の運用のベースとなる、「VisualSim」は、システムの仕様検討からアーキテクチャの決定及び検証までを統合する環境で、コアとなる複数ドメインを統合したシミュレーション・エンジンとモデリング用のライブラリ、解析ツールによって構成されている。
この環境により、ユーザはグラフィカルなモデリング環境と豊富なライブラリで短時間でシステムのモデリングを行う事ができるほか、シミュレーションおよび解析機能によって、フロントエンド設計で必要な様々なシミュレーション工程を統合し、システムのパフォーマンス解析やインターコネクトのボトルネック解析など、アーキテクチャの探求および確証作業を統一した一つの環境下で実現する事が可能となる。
尚、「Processor Generation Toolkit」のライセンス価格は、PowerPCとARMのパラメータが設定済みのもので5000米ドルからとなっており、その他のプロセッサについては、ユーザ自身で設定することができるが、Mirabilis社による有償サービスもある。
また、運用のベースとなる、「VisualSim Architect」は2000米ドルから、別売のSystemCモデリングオプションは1700米ドルからの提供となっている。
※同社の国内販売代理店は、鹿島メディアバインド株式会社 http://www.kashima-mb.co.jp/
Mirabilis Designは、今週26日より開催されるEDSFair2006のベンチャーパビリオンに出展する予定。
※Mirabilis Design http://www.mirabilisdesign.com/
= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.01.23
)