ザイリンクス、独Xylon社と共同で自動車業界向け開発ボードを発表

2006年2月21日、ザイリンクスと、FPGA向けのIPコアサプライヤである独Xylon社は、共同開発したSpartan-3ベースの自動車業界向け開発ボード「logiCRAFT2」を発表した。

プレスリリース:http://www.xilinx.co.jp/japan/j_prs_rls/design_win/0624_xylon_j.htm

「logiCRAFT2」は、XylonのFPGA向けIP「logicBRICKS」を搭載する自動車向けの「HMI (human machine interface)」開発システムで、自動車のフロント・ナビゲーション用および後部座席用の計3つのディスプレイをドライブし、各ディスプレイに異なったビデオストリームを同時に表示することができる。

「logiCRAFT2」には、ザイリンクスの「MicroBlaze」32ビットソフトプロセッサを搭載するFPGA「Spartan-3」が使用されており、車内インターフェイス用の複数のオンボードPHYを備えるほか、車内アプリケーション向けの様々なビデオ入/出力規格がサポートされており、この開発ボードを用いる事で最新の自動車向けIPコアを柔軟に評価することが可能となる。

これまでの自動車向けのシステム開発は、ASSPに依存する部分が大きく、仕様変更や機能追加などに対する柔軟なソリューションが無かった。今回、ザイリンクスとXylonの両社が開発したボードは、FPGAの利点を生かした柔軟性の高い開発システムとして、自動車業界に対し、開発サイクルの短縮や開発・製造コストの低減など数々のメリットを提供するものとなる。

「logiCRAFT2」システムは、「Basic」と「Elite」の2種類のパッケージが用意されており、「Elite」パッケージには開発ボード、logicBRICKS 評価用IPコア、サンプルコードの他に、800×400後部座席用ディスプレイ2個と400×234ナビゲーションディスプレイ1個、後部座席カメラ、赤外線ヘッドフォン、リモコン、ポータブルDVDプレーヤ、ゲーム機器、MP3プレーヤ、スピーカなどが含まれ、車用のトータル的なインフォテイメント開発環境が提供される。

尚、製品の出荷は2006年3月より開始予定で、「Basic」パッケージの価格は1950ユーロ(欧州販売価格)となる。

※「logiCRAFT2」に関する詳細はこちら http://www.logicbricks.de

※ザイリンクス株式会社 http://www.xilinx.co.jp

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.02.21 )