シノプシス、組み込みソフト開発向け仮想プロトタイピングの米Virtio社を買収

2006年5月16日、シノプシスは、組み込みソフトウェア向けのバーチャル・プラットフォームを手掛ける、米Virtio社を買収したことを発表した。

プレスリリース:http://www.synopsys.com/news/announce/press2006/snps_acqvirtio_pr.html(英文)

シノプシスは、今回獲得したVirtioのソフトウェア開発向け仮想プロトタイピング技術を、同社のシステム設計環境「System Studio」に組み合わせる事によって、組み込みソフトウェア開発の早期着手を実現できると考えており、今回のVirtioの技術の獲得は、ソフトウェア及びハードウェア開発の加速に向けて、インプリメンテーション、検証、IPと3つの面からソリューションを提供するという、独特のポジションを確立できるとしている。

組み込みシステム開発においては、ソフトウェアの開発工数が爆発的に増加する中、従来手法のようにハードウェアのプロトタイプを待っていてはソフトウェア開発が追いつかず、それら問題を解決するソフトウェアモデルによる仮想プラットフォームを用いた開発手法が注目を集めている。

同種のESLソリューションを提供する代表的なところでは、米コーウェア、米VaST Systems Technology、などが挙げられ、関連するESLツールが次々に登場してきている。ここのところ同分野では目だった動きの無かったシノプシスにとっては、今回の買収はESL分野への進出に向けた大きな一歩と言える。

Virtioは、1999年に米ナショナルセミコンダクターからスピンオフして設立された会社で、コア技術となる仮想プロトタイピング技術は、ナショナルセミコンダクターの研究所で開発されたもの。日本国内では、株式会社東陽テクニカが総代理店として同社製品の販売を行っていた。

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.05.18 )