米Bluespecの合成ツールがSystemCをサポート>>ESL合成用にSystemCを拡張

2006年5月29日、SystemVerilog入力のESL合成ツールを手掛ける、米BlueSpecは、同社のESL合成ツールセットがSystemCをサポートした事を発表した。

プレスリリース:http://www.bluespec.com/news/ESE052906.htm

Bluspecは、今回のSystemCサポートは、同社のESL合成ツールのユーザ層を広げると同時に、SystemCの問題を解消し、モデリング、設計、検証の3拍子が揃った真の意味でのSystemC単一環境を実現するものだと主張している。

具体的には、SystemCの並列表現や通信表現に拡張を施した、「ESE(ESL Synthesis Extensions)to SystemC」と呼ぶ独自の拡張SystemCを開発。これを用いることで、SystemCからの合成を実現する。

この「ESE」は、OSCIリファレンスシミュレータやGNU Compilerなど通常のSystemCの実行環境で利用可能であり、通常のSystemCモデルとの接続も可能。SystemCのLRMと同じように、Language Reference Manual、 チュートリアル、サンプルモデル、ライブラリなどがセットになっており、無償で提供される「ESE」と有償で提供される「ESEPro」の2種類が用意されている。

この2つの「ESE」の大きな違いは、サポートする記述の抽象度にあり、無償の「ESE」は時間の概念の無い完全なアンタイムドモデルしか扱う事が出来ない。一方の「ESEPro」は、アンタイムドモデルの他にクロック情報を含んだサイクルアキュレートモデルもサポートしており、ハード設計者や検証エンジニア向けとなる。

また、Bluespecによると、これら「ESE」からVerilog-RTLを自動合成する「ESEComp」を開発中で、来月7月に開催される第43回DACでデモを行う予定だとしている。

尚、「ESE」の無償版は、現在BluespecのWebサイトで公開中。有償版の「ESEPro」は、タイムベース・ライセンスで年35000米ドルで提供される。現在のところ、日本国内に販売代理店は存在していない。

※「ESE」ダウンロードページ:
http://www.bluespec.com/products/ESLSynthesisExtensions.htm#Downloading

※Bluespec
http://www.bluespec.com

= EDA EXPRESS 菰田 浩 =
(2006.06.01 )